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遺品整理の進め方完全マニュアル:家族や業者との分担方法

遺品整理の進め方完全マニュアル:家族や業者との分担方法

2025.02.12

遺品整理は、故人が残した品物を整理し、必要なものを選別しながら家族の思いを大事にする大切な作業です。まだ使えるものや、使えないけど残しておきたいもの、処分しなければいけないものなど、仕分け作業の目的は多岐にわたります。

しかしながら、大切な作業だとわかっていても、どこから手を付けてよいのかわからず、負担を感じている人もいるのではないでしょうか?遺品整理は精神的にも肉体的にも負担が大きいため、事前準備や作業手順が明確でないと、うまく進められず放置してしまいがちです。

本記事では、遺品整理の基本的な進め方を解説し、家族や専門業者と協力しながら無理なく進める方法を紹介します。計画的に進めれば、スムーズに整理を終えられるため、本記事を読んで早速行動しましょう。

遺品整理とは?基礎知識を理解しよう

遺品整理は、闇雲に行うと本来の意義が損なわれるため、基本的な知識への理解が必要です。遺品整理を始める前に、ポイントやタイミングについての理解を深めましょう。

遺品整理の目的とは?

遺品整理は、単なる部屋の片付けではなく、故人の人生を振り返りながら、必要なものを残し、不要なものを処分する作業です。故人の思い出と向き合いながら、家族が前向きに進むための過程となります。遺品整理は精神的な整理を行う場として考える人が多いです。

限られたスペースを有効活用し、不要なものを適切に処分するのも、遺品整理の目的です。部屋の中にある日用品や衣類、家具や家電などを仕分けていきます。部屋が片付けば新しい空間に生まれ変わるため、早めに行ったほうが良いでしょう。

さらに、遺品整理を行えば実用的な整理ができます。相続や財産管理、不動産の売却関係の書類や貴重品を整理し、必要な手続きを行いましょう。相続や財産管理など期限が決められているものもあるため、書類関係は早めに確認するのがおすすめです。

遺品整理のタイミングと適切な時期

遺品整理を始めるタイミングに決まりはありませんが、一般的には四十九日や一周忌などの節目が目安とされています。四十九日や一周忌以外の目安としては、下記3つの要因を考慮して進めるのがおすすめです。

遺品整理する部屋が賃貸物件の場合

家賃が発生するため、早めに対応しましょう。契約期間や退去について書類を確認し、管理会社に連絡します。希望する退去日は、遺品整理期間を設けてから決めましょう。

相続手続きと並行して進める

重要書類を整理し、相続の準備を進めたタイミングで遺品整理も行いましょう。相続は、相続人が相続の開始を知ってから3ヶ月以内に相続の承認・放棄をしなければならないという民法の規定があります。家族でも相談が必要になる場合があるため、遺品整理をしつつ相続書類も確認しましょう。

家族の心理的な準備

具体的な目安が何もない人は、感情的な負担を考え、無理なく進めるのが賢明です。故人への気持ちが強い場合は、しばらく手をつけたくないという気持ちもあるでしょう。しっかりと心の整理をして、それから遺品整理に取り組んでも問題ありません。

一方で、急ぎすぎると精神的な負担が大きくなるため、状況に応じて計画を立てることが大切です。一人で決められない場合は、家族に相談して適切な時期を見定めましょう。

一人で遺品整理を進める場合のポイント

一人で遺品整理を進める場合、作業量が多く、精神的にも負担が大きくなります。そのため、計画性を持って進めることが重要です。1日で作業を終わらせようとするのではなく、数日〜数週間かけて無理なく進めましょう。片付けが広範囲な場合は、部屋ごとに区切り、優先順位をつけて行うのがおすすめです。

感情的な負担を軽減させるために、思い出の品は急いで決断せず、一度保留にしながら進めましょう。高価な品物や未使用品、比較的新しい家具や家電も同様です。全てを処分するとのちに後悔してしまう可能性があります。写真や手紙はデジタル化して保存する選択肢もあるので、急いで決断する必要はありません。

また、一人では作業が困難だと感じたら、専門業者のサポートを活用するのも一つの方法です。体力的、精神的に厳しい時期であるため、第三者がいたほうがスムーズに進められる場合があります。専門業者は丁寧に仕分けして作業し、要らないものだけを処分してくれるので、思い出の品を紛失することなくスピーディーに作業が完了します。

遠方に住んでいる場合の遺品整理方法を紹介

遠方に住んでいる場合、遺品整理を進めるためには計画的な対応が必要です。まずは事前に必要な書類を確認しましょう。遺産相続に関する書類や貴重品を優先的に整理し、住民票の異動や不動産の処理が必要な場合は、事前に準備します。書類関係はトラブルに発展しやすいため、最優先で行いましょう。

家族が協力してくれる場合は相談し、役割分担を決めます。現地に行ける人が作業を担当し、遠方の家族はリモートで調整したり、書類整理や手続き関係を行います。業者への依頼を検討する場合は、家族間で費用を分担しましょう。

遺品整理業者を利用する場合は、親切で信頼できる遺品整理業者を選び、見積もりを取ります。大切なものがなくならないよう、作業前に写真を撮影し、処分品の確認を行うのがおすすめです。

遺品整理の手順:事前準備が成功の鍵

初めて遺品整理を行う方のために、遺品整理の手順を紹介します。事前に準備すればスムーズに作業が進められるため、スケジュール作成の参考にしてください。

まずは計画を立てよう!スケジュール作成のポイント

遺品整理をスムーズに進めるために、全体の手順を確認する計画を立てましょう。スケジュール作成のポイントは下記3つです。

1.全体の流れを把握する

遺品整理をどのように進めていくか、全体の流れを決めます。

仕分け → 貴重品の整理 → 不用品の処分 → 掃除

の順番で進めていくと、途中で混乱することなく作業が進みます。不用品については処分方法まで確認しておくと安心です。

2.スケジュールを決める

遺品整理をする範囲が1日で終わる規模か、数日必要かを確認し、作業日程を調整しましょう。家族が参加できる場合は、週末を利用して家族と協力すると作業が進みやすくなります。

3.優先順位をつける

遺品整理は片付ける量が多いため、優先順位を決めておきましょう。早急に処理すべきもの(貴重品、相続関係の書類など)を優先し、思い出の品は最後にまわしましょう。期限があるものが先、思い出深いものを後にして無理に決断しないようにすると、作業が捗ります。

必要な道具を準備しよう

遺品整理を開始する前に、片付けに必要な道具を準備しましょう。下記の道具を準備すると効率的に進められます。

  • ゴミ袋(燃えるゴミ・燃えないゴミ用)
  • ダンボール(必要な品を一時保管)
  • ラベルシール(分類を明確にするため)
  • 手袋・マスク(ホコリや汚れ対策)
  • カメラ・スマホ(遺品の記録や家族との共有用)

重要な書類や貴重品は紛失しないよう、専用のファイルやボックスを用意して管理するのがおすすめです。長時間の作業になる場合は水分補給も忘れずに行いましょう。

家族との役割分担を決める

家族で遺品整理を行う場合、役割分担を決めて進めると作業効率が上がります。まずは誰が中心となって整理を進めるかを明確にしましょう。リーダーを決めると意思疎通が図りやすくなります。

リーダーが決まったら、それぞれの担当エリアを分けると作業がスムーズに進みます。随時作業の進捗を共有し、片付けが捗っていないエリアがあれば協力して進めましょう。遠方の家族には写真を送るなどして確認してもらうと、短時間で片付けが完了します。

片付けには向き不向きがあるため、エリアで分けずに「掃除担当」「思い出の品担当」「衣類・日用品担当」など、品物ごとに役割を決めるのもおすすめです。

遺品整理をする上で知っておきたい6つのこと

遺品整理をする上で大切なポイントを6つ紹介します。基本的なルールや処分方法がわからないものがある人はぜひ参考にしてください。

1:仕分けの基本ルール

遺品整理をスムーズに進めるために、仕分けの基本ルールを押さえましょう。基本的には「必要なもの」「不要なもの」「保留」の3つに分類します。

「必要なもの」は、相続に関わる重要書類や貴重品、思い出の品など、「残しておきたい」ではなく、「残しておくべきもの」です。一方で「不要なもの」は、使う予定のない衣類や古い家電、もう使用できない日用品などです。「保留」に分類するものは、即決できない思い出の品や、家族と相談して処分を決めるべきものです。

仕分け作業では、迷ったときに相談できるよう家族と協力しながら進めると、作業効率を高められます。また、最初からすべてを捨てる必要はなく、リサイクルや寄付も視野に入れるとよいでしょう。

2:書類や貴重品の整理方法

遺品整理の中でもとくに慎重に行うべきなのが、書類や貴重品の整理です。書類関係や貴重品は相続や財産管理に関わるため、紛失しないよう注意しましょう。

書類の整理は、銀行の通帳・印鑑・保険証書・不動産の権利書などを優先的に探し、分類して保管します。また、税金や公共料金の請求書、クレジットカードの明細なども整理し、未払いのものがないか確認しましょう。

貴重品は、指輪や腕時計などの貴金属類、骨董品、美術品などの価値を調べ、家族間で話し合って分配します。価値の判断が難しい場合は、専門業者に査定を依頼し、全員が納得した上で整理を完了しましょう。

3:思い出の品の扱い方

思い出の品は、遺品整理の中で最も判断が難しいものの一つです。写真や手紙、愛用品などは、故人との思い出が詰まっているため、無理に処分せず、気持ちが落ち着いてから整理しましょう。

デジタル技術を活用し、写真や手紙をスキャンしてデータ化する方法もあります。また、形見分けとして家族や親族に渡せば、思い出を共有することもできます。

一人で判断できない場合は家族に相談し、状況に応じて保管もお願いしましょう。時間が経って気持ちが落ち着いたら、整理を再開するのがおすすめです。

4:家財道具や家具の処分方法

大型の家財道具や家具の処分は、自治体の粗大ごみ回収サービスを利用するか、不用品回収業者に依頼する方法があります。

まだ使用可能な家具や家電製品は、リサイクルショップに売却したり、寄付団体を通じて必要な人に譲ることも選択肢の一つです。処分費用を抑えるためにも、活用できるものはできるだけ再利用できるよう手配しましょう。

便利屋に依頼すれば、買取の査定に来てくれるため、困った場合は相談してみてください。

5:遺品の供養やお焚き上げについて

仏壇や位牌、故人の愛用品など、供養が必要な遺品については、処分せずに適切な方法で処理しましょう。お寺や神社でお焚き上げをしてもらう方法が一般的ですが、最近では遺品整理業者が供養の代行を行っている場合もあります。

故人が大切にしていた品物については、感謝の気持ちを込めて供養すると、気持ちの整理にもつながります。迷った場合は遺品整理業者に相談しましょう。

6:掃除と整理整頓のコツ

遺品整理が終わった後は、部屋の掃除をしながら整理整頓を行いましょう。ホコリやカビが溜まっているケースが多いため、掃除機や雑巾を使って徹底的に清掃します。

今後の生活を考えて、整理整頓の習慣をつけることも大切です。収納スペースを確保し、必要なものだけを残せば、快適な生活空間を作れます。

遺品整理を進める際の注意点

遺品整理は、片付けの最中や相続問題でトラブルに発展する場合があります。ここでは、よくあるトラブルを避けるための注意点を紹介します。

相続トラブルを防ぐためにやるべきこと

遺品整理を行う際に注意するべきは、相続トラブルを未然に防ぐことです。遺品の中には財産価値のあるものが含まれる場合が多く、財産価値の高いものが原因で家族間の争いに発展するケースがあります。

相続に関するトラブルを避けるためには、整理を進める前に、相続のルールや手続きを理解し、適切な対応をすることが重要です。

遺産の分配については、法的な視点から明確に決めておきましょう。とくに、土地や不動産、貴金属、骨董品などは資産価値が高く、相続人同士のトラブルになりやすいものです。資産を適切に分配する方法がわからない、もしくは決められない場合は、専門家(弁護士や税理士)に相談しながら進めましょう。

遺言書が存在する場合は、遺言書の内容を尊重することが大前提となります。遺言書がない場合は、相続人同士で話し合いを行い、できるだけ公平な形で分配しましょう。感情的になりやすい場面ですが、冷静に話し合いができれば、円満な解決につながります。

家族間の協議で解決しなかった場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて決定します。

貴重品や重要書類の管理も徹底しましょう。預金通帳や保険証書、不動産の登記簿などは、紛失すると手続きが困難になるため、整理する際には慎重に扱う必要があります。家族全員で確認し、適切な管理方法や保管場所を決めておくと安心です。

感情的な負担を軽減する方法

遺品整理は、故人との思い出が詰まった品と向き合う作業であり、精神的な負担が大きくなる場合があります。長年使用されていた衣類や愛用品などは、簡単に手放すことができず、作業がなかなか進まない要因となります。

遺品整理の感情的な負担を軽減するためには、無理をしないことが大切です。短期間で全てを整理しようとすると、精神的なストレスがかかり、気が滅入って作業が進まなくなります。1日1時間だけ進めるなど、時間をかけてゆっくりと整理し、負担を軽減できるスケジュールを立てましょう。

家族や友人と一緒に作業をすれば、気持ちを共有しながら進められます。一人で抱え込むと、どうしても感情的になりやすいため、遺品整理はサポートしてくれる人と協力して行うのが理想です。故人の思い出を話しながら整理を進めれば、気持ちの整理も同時にできます。

捨てられないものは無理に捨てず、整理した後にきれいに保管しておきましょう。

「もったいない」と思わずに整理する

遺品整理を進める際、多くの人が「もったいない」と感じてしまい、不要なものを手放せないケースがあります。しかしながら、すべてを保管すると片付けが難しくなるため、整理を進めるためには適切な判断が必要です。

「もったいない」と思わずに整理を進めるためには、リユースやリサイクルを積極的に活用することが有効です。まだ使える衣類や家具、家電は、寄付やリサイクルショップに持ち込めば、新たな価値を生み出せます。処分するのではなく、他の人に役立ててもらうと、気持ちよく整理を進められます。

また、「いつか使うかもしれない」という考えを見直すことも大切です。過去に1年以上使っていないものは、今後も使用する可能性が低いため、思い切って手放しましょう。決断が難しい場合は、一時的に「保留ボックス」を作り、一定期間経過したら最終的に処分するルールを決めるのがおすすめです。

遺品整理は、故人の持ち物を適切に整理し、家族が新たな一歩を踏み出すための重要な作業です。無理なく計画的に進め、必要なものだけを残すと、快適な生活環境を整えられます。

遺品整理を業者に依頼する場合のポイント

大切な作業である遺品整理を業者に依頼する場合は、信頼できる専門業者を選びましょう。実績がある業者を選ぶコツや悪徳業者を避けるポイントについて解説します。

遺品整理の実績がある専門業者を選ぶ

遺品整理を業者に依頼する際は、実績がある専門業者を選びましょう。専門業者は、遺品整理士の資格を持つスタッフが在籍しており、法令に従った適切な処理が可能です。

実績がある業者を選ぶポイントとして、まず公式サイトや口コミサイトで過去の実績を確認しましょう。具体的な作業事例や写真が掲載されている業者は、信頼できる可能性が高いです。また、実際に問い合わせをして、対応の丁寧さや説明の分かりやすさもチェックすると、自分に合う業者を見つけやすくなります。

遺品整理業者は、自治体や業界団体に登録されている業者であるかどうかも重要です。登録業者は法令を遵守しているため、不法投棄などのリスクを避けられます。

事前に見積もりを取り、料金体系を確認する

遺品整理の費用は業者によって異なり、作業内容や部屋の広さ、処分する品目の量によっても変動します。依頼する前に必ず見積もりを取り、料金体系をしっかり確認しましょう。

見積もりを取る際は、3社程度で比較するのがおすすめです。見積もりは料金に含まれる作業内容を明確にしてもらい、追加料金が発生するケースについても確認しておきましょう。

また、見積もり時に訪問して現地調査をしてもらうと、お互いの相違がなくなるため、後のトラブルを防げます。電話やオンラインのみの見積もりでは、作業当日に追加料金が発生する可能性があるため注意が必要です。

買取・リサイクルを活用し、費用を抑える

遺品整理の際、不要なものを処分するだけでなく、買取やリサイクルを活用すると費用を抑えられます。

家具や家電、骨董品、貴金属などは買取可能な場合があるため、専門業者に査定を依頼しましょう。ブランド品や高級家具は、高額での買取が期待できます。買取金額を遺品整理の費用に充てれば、コストを軽減できるため積極的に行いましょう。

再利用可能な品物は、リサイクル業者やリユースショップを活用すると、環境負荷を減らしながら処分ができます。遺品整理業者の中には、買取・リサイクルサービスを提供しているところもあるため、依頼時に確認してみましょう。

悪徳業者を避ける方法

遺品整理業界には、悪徳業者も存在し、高額請求や不適切な処理を行うケースがあります。トラブルを防ぐためにも、極端に安い見積もりに注意しましょう。相場よりも大幅に安い料金を提示する業者は、後から追加料金を請求する可能性があります。

口コミや評判の確認も重要です。実際に利用した人の口コミや評価をチェックし、不審な点がないかを見極めます。「対応が悪かった」「追加の請求額が大きかった」などの口コミがある業者は避けましょう。

口約束ではなく、必ず契約書を交わしてください。見積もり内容を明文化し、書面で契約を結ぶと、トラブルを未然に防げます。稀に、口頭の説明と契約書の内容に相違がある業者がいるため、契約書の内容も細かく確認しましょう。

適切な業者選びをすれば、安心して遺品整理を進められます。大切な作業なので、専門業者は妥協せず、納得できる業者を選びましょう。

遺品の処分・活用方法

遺品の仕分けを行ったら、処分方法を考えます。寄付やリサイクルショップの活用方法についても紹介するので、処分に困っている人は参考にしてください。

リサイクル・リユースできる遺品とは?

遺品整理を進める際は、すべてを処分するのではなく、リサイクル・リユースできるものを選別しましょう。状態の良い家具や家電、衣類、本、貴金属、ブランド品などはリユースの対象になります。

家電製品は、製造から5年以内のものは買取対象となるケースが多いため、専門業者に査定を依頼しましょう。業者によっては家具や本も買取してくれる場合があるため、相談してみてください。

食品や消耗品も未使用であれば、寄付やリサイクルを検討できます。自治体のリサイクルセンターやフリーマーケット、オンラインフリマアプリを活用すると、より多くの品物が有効活用されます。

寄付・リサイクルショップの活用方法

寄付やリサイクルショップを利用すれば、遺品を無駄にすることなく、必要としている人に届けられます。

衣類や日用品は、NPOや慈善団体への寄付が可能です。海外支援を行っている団体では、不要になった衣類を発展途上国へ送る活動を行っています。また、リサイクルショップでは、家具や家電、ブランド品などの買取を行っており、手軽に利用できます。

遺品整理業者と提携しているリサイクルショップを利用すれば、手間をかけずに遺品を有効活用できるケースもあるため、事前に確認してみましょう。業者によって買取できる製品が異なるため、買取を断られた製品は違う業者に査定を依頼するのも一つの方法です。

形見分けのマナーとルール

形見分けとは、故人が生前使用していた品を親族や友人に譲ることを指します。形見分けを行う際は、適切なマナーとルールを守りましょう。

形見分けは四十九日以降に行うのが一般的です。渡す相手には、故人が生前親しくしていた人を選び、無理に押し付けることがないよう配慮しましょう。

金銭的な価値の高いもの(貴金属や骨董品など)は、相続の対象となる場合があるため、事前に家族で話し合っておくことが大切です。形見分けの際は、故人の思いを大切にしながら、受け取る人の気持ちを尊重することを心掛けましょう。

形見分けに限らず遺品整理は、故人を偲びながら、家族や関係者にとっても新たな一歩を踏み出す機会となります。適切な方法で進めれば、心の整理とともに、故人の遺品を有効活用できます。

遺品整理後にやるべきこと

遺品整理は、片付けが完了した後にもやるべきことがあります。専門業者にも補えない部分なので、遺品整理中の人やこれから遺品整理を行う人は確認してください。

不動産の整理と売却の準備

遺品整理を終えた後、不動産の整理と売却を検討するケースがあります。故人が所有していた自宅や賃貸物件をどうするかは、相続手続きや経済的な観点からも重要な問題です。

不動産の名義変更や相続手続きを行うために、相続登記が必要になります。相続登記を怠ると、将来的に不動産の売却ができなくなる可能性があるため、早めに対応しましょう。司法書士や不動産会社に相談しながら進めるとスムーズです。

売却を検討する場合は、物件の状態を確認し、必要であればリフォームや修繕を行います。できるだけ高値で売却できるように準備しましょう。不動産業者に相談すると、市場価値や適切な売却方法についてアドバイスをもらえます。

売却以外の選択肢として、賃貸に出す方法もあります。賃貸にすれば定期的な収益を得られますが、管理が必要になるため、賃貸管理会社に依頼するのも一つの方法です。

残された家族の心のケア

遺品整理は、物理的な作業だけでなく、精神的な負担も大きいものです。故人との思い出が詰まった品を整理する過程で、喪失感や悲しみが強くなる場合があります。

遺品整理による精神的な負担を軽減するためにも、家族同士で思い出を共有しながら進めましょう。写真や手紙を整理する際には、一緒に過ごした思い出を語り合う時間を作ると、気持ちを整理しやすくなります。

無理に全ての作業を短期間で終わらせようとせず、時間をかけて少しずつ進めることも重要です。精神的に辛いと感じる場合は、カウンセリングを受けたり、親しい友人や支援団体に相談しましょう。

高齢の家族がいる場合は、喪失感が大きくなるため、日常生活のサポートや気持ちのケアを意識しなければなりません。食事や睡眠をしっかりととり、心身の健康を保つようにしましょう。

よくある質問とトラブル対策

遺品整理に関するよくある質問とトラブル対策をまとめました。

遺品の処分に困るものはどうしたらいい?

遺品整理の際、処分に困るものとして、仏壇・仏具、故人の写真、人形、薬品、貴金属などが挙げられます。下記が適切に処分する方法です。

仏壇や仏具、お守り

お寺や神社でお焚き上げ供養をしてもらう。

故人の写真

アルバムにまとめたり、スキャンしてデータ化することで、思い出として保存する。

人形やぬいぐるみ

人形供養を行っている寺社に依頼する。支援団体に寄付する。

未使用の薬品

自治体の薬品回収窓口や薬局で適切に処分する。

貴金属やブランド品

専門の買取業者に査定してもらい、換金する。家族間で協議し、受取手を決める。

処分に迷うものがあれば、専門業者や自治体の回収サービスを活用すると、安全かつ適切に処分できます。

遺品整理を業者に頼むか自分でやるか迷ったらどうする?

遺品整理を自分で進めるか、業者に依頼するかを判断するには、作業量、時間、精神的な負担を考慮することが大切です。

自分でやる場合のメリット

  • 費用を抑えられる。
  • 故人との思い出を振り返りながら整理できる。
  • 必要なものと不要なものを自分のペースで仕分けできる。

業者に依頼する場合のメリット

  • 作業時間を短縮できる。
  • 大型家具や家電などの処分がスムーズに進む。
  • 精神的な負担を軽減できる。

判断基準として、作業量が多い場合や短期間で整理を終えたい場合は、業者に依頼するのが適しています。反対に、時間をかけてゆっくり整理したい場合は、自分で進めるのが良いでしょう。

業者に依頼する場合は、見積もりを取って料金体系を確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

まとめ:遺品整理をスムーズに進めるためには事前準備が大切

遺品整理は、ただ物を整理する作業ではなく、故人の人生を振り返る大切なプロセスです。スムーズに進めるためにも、事前準備を怠らないようにしましょう。

仕分けを行う際は必要なものと不要なものを区別し、リサイクルや寄付も検討しましょう。不動産の整理や処分に困るものは専門家や業者に相談すると、精神的な負担を軽減できます。

遺品整理は、残された家族にとっても大きな節目となります。適切な手順で進めれば、故人への敬意を示しながら、新しい生活を前向きにスタートさせられます。困ったときは一人で抱え込まず、家族や遺品整理業者に相談しましょう。「無理をしないこと」が大切なポイントです。

プロフィール画像
便利屋パラダイス編集部
この記事を書いたのは、便利屋パラダイス 編集部 地域密着型サービスや生活サポートに関する情報発信を得意とする編集部です。 便利屋や地域サービスについて詳しく、実際に役立つ情報をわかりやすく提供しています。
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