草刈りと聞くと、「重労働で大変そう」「どこから手をつけたらいいかわからない」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。
実は、ちょっとしたコツを覚えるだけで、初心者でも効率よく安全に草刈りを進められますよ。
本記事では、広い庭から小さな家庭菜園まで、さまざまなシーンで役立つ初心者向けの草刈りのポイントを10個に分けてご紹介します。
道具選びや姿勢の取り方、草刈りに適したタイミングなど、知っておくと得をする知識がたくさん詰まっています。鎌と草刈り機、それぞれの特性をふまえて解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
草刈りをする前に、まずは適切な装備を揃えましょう。安全かつ効率的に草刈りをするために、「服装」と「道具」選びについてのポイントを紹介します。
草刈りの際は、適切な服装と道具を準備することが重要です。
服装選びのポイントとしては、「草を刈る際に飛び散る草や小石から身を守る」ような服装を心がけます。
具体的には、以下のような服や保護用具があるといいでしょう。
「長袖、長ズボン」は、肌を保護するために必須です。初心者や、家の庭の草を少し刈る、といった場合であっても必ず長袖・長ズボンを着用します。通気性の良い素材を選ぶと夏でも快適に草刈りできます。
「スニーカー・安全靴」を選ぶと、踏ん張りがきいて作業しやすいです。刃物によるケガを防ぐためにも、最低限スニーカーなどのしっかりした靴を履きましょう。
「手袋」は、刃物や草による手のケガを防ぎます。軍手などでも良いですが、滑り止めがついていると鎌や草刈り機をしっかりホールドできるのでおすすめです。
「ゴーグル・フェイスシールド」は、飛んでくるゴミなどから目や顔を守ります。小石や木の枝、虫などが目や顔に当たると大きなケガにつながる危険があります。
視界を確保しつつ安全性を高めるために、ゴーグルやフェイスシールドを着用しておくと良いでしょう。
草刈りに使用する道具には、主に「鎌」と「草刈り機」があります。
どちらが優れているということではなく、「どんな場所を、どれくらいの範囲で、どのぐらいの時間をかけて刈るのか」によって選ぶべき道具が変わってきます。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、特徴を解説していきます。
■鎌
鎌は、手作業で雑草を刈るための昔ながらの道具です。手軽でコストが低いのが特徴です。軽くて扱いやすいため、狭い範囲の草刈りや細かい仕上げ作業に適しています。
初心者でも扱いやすいですが、手作業になるため広範囲の作業には不向きです。
■草刈り機
草刈り機は、エンジンや電動モーターを使って刃を高速で回転させて草を刈る道具です。電動で短時間でも効率よく草を刈れるので、広い庭や空き地での作業に最適です。
鎌と比べると価格が高くなるところがデメリットと言えます。また重みがあるので、初心者には扱いが難しく感じることもあるでしょう。
初心者の場合はエンジン式よりも振動が少なく比較的軽量な「電動式」の草刈り機をおすすめします。
初心者向けに、簡単にできる草刈りのコツを10ポイント紹介します。
鎌を使う場合と、草刈り機を使った場合に分けて解説するので、使う器具に合わせて参考にして下さい。
草刈りには、適切な時期や時間帯があります。 草刈りに適した時期と時間帯を選ぶことで、作業効率を大幅にアップできます。
鎌・草刈り機のどちらを使う場合も、草が柔らかい「春」や梅雨明け後の「初夏」が草刈りに最適の季節です。春から初夏にかけては雑草が活発に成長しますが、茎が硬くなる前なので草が刈りやすいためです。
天候は、雨が降っていない乾燥した日を選びましょう。雨などで湿気が多い日は草が重くなり、刈り取りにくくなります。また、湿った草は刃に絡みやすいので、作業効率が下がります。
風が強い日は、草や土が飛び散りやすいです。目や顔をケガしてしまう可能性があるため、強風の日も草刈りは避けるのが無難です。
草刈りをする時間帯としては、日中の暑い時間を避けた早朝か夕方がおすすめです。暑い時間帯の作業は体力を消耗するので、長時間になりやすい草刈りには不向きです。
また草刈り機を使う場合は、振動や音に対する近隣への配慮として早朝や夜間の使用を避けてください。
草刈りの道具選びを間違えると、作業効率が下がったり、ケガのリスクが高まることもあります。初心者に合った道具を選ぶようにしましょう。
初心者の場合は、以下のような基準で道具を選ぶことをおすすめします。
■鎌を使う場合
初心者が扱いやすいものを選ぶことで、作業の効率が大きく変わります。まず、刃渡りの短い鎌を選ぶと良いでしょう。刃の長さが10~15cm程度のものは軽量で操作がしやすく、小回りが利くため初心者にも安心です。
柄の長さも重要です。柄が短すぎると腰を深くかがめなくてはならず、長時間の作業で腰を痛めやすくなります。逆に長すぎると重心がぶれやすくなります。自分の身長に合ったバランスの良い長さを選びましょう。
草取り専用の「三日月鎌」は初心者向きの定番アイテムです。刃がギザギザした「鋸鎌」もおすすめです。刃が草に引っかかりやすく、少ない力でスムーズに草を刈ることができます。
■草刈り機を使う場合
初心者に特におすすめなのは、扱いやすく軽量な電動式の草刈り機です。
電源が確保できる場所であれば、コード式の草刈り機が使いやすく、価格も手頃なので家庭での使用に適しています。
一方で、コードに縛られたくない場合や、庭や家庭菜園などの障害物が多い場所では充電式(バッテリー式)が便利です。自由に動き回れるため、初心者でもスムーズに草刈りできます。
広い範囲の草を刈りたい場合は、パワフルなエンジン式を検討する必要もあるものの、エンジン式草刈り機の取り扱いには慣れが必要です。
草刈り機の刃にもいくつか種類がありますが、初心者が安全に草刈りをするためには、「ナイロンコード刃」を採用したモデルを選ぶと良いでしょう。「金属刃」と比べて安全性が高いため、草刈り作業に慣れていない人でも扱いやすいです。
また草刈り機は大きさや重さも様々です。初心者の場合は軽量なモデルを選ぶことをおすすめします。
「自分に合った草刈り道具がよく分からない」というときは、ホームセンターなどの専門店でスタッフに相談するのも良い方法です。
草を刈りたい場所や雑草の種類を詳しく伝えることで、適切な道具を教えてくれるでしょう。最適な道具を選ぶことができると、楽に草刈りができるようになります。
草刈りは見た目以上に体力を使う作業です。道具を持つ姿勢や手の使い方ひとつで、作業の快適さが大きく変わります。鎌と草刈り機それぞれの場合に分けて、正しい持ち方を解説します。
■鎌の場合
鎌を握るときは、利き手で柄をしっかりと握り、もう一方の手で草を押さえるようにします。手元を安定させるために、柄の中ほどを握ると力が入りやすくなります。刃を引くときは、腕の力だけではなく肩から動かすイメージで行い、刃が草にしっかりと当たるようにしましょう。
また、刃の角度を地面に対して45度ほどに保つと、切れ味が良く効率的です。鎌の柄を握る手は軽く力を抜き、刃を引く動作で切ることを意識することで、手首や肘への負担を軽減できます。
草刈り作業中は無理に腰を曲げすぎず、膝を軽く曲げる姿勢を心がけると疲れにくくなります。特に、背中を丸めて作業すると腰を痛めやすいため、体の軸を保つことを意識してください。
■草刈り機の場合
草刈り機を持つ際は、利き手で操作ハンドルを握り、反対の手でサブハンドルを支えます。機械の重心をしっかりとコントロールするために、肩にストラップをかけ、体にフィットさせましょう。
ストラップを正しく調整することで、機械の重さが体全体にほどよく分散され、腕や腰への負担が軽減されます。
刃の位置は、地面から約10cmほどの高さを保つのが理想です。刃を地面に近づけすぎると、石や砂を巻き上げてしまい、怪我や刃の破損につながるので注意して下さい。刃の回転方向に合わせて動くと、余分な力を使わずに作業できます。
草刈りは、体に負担がかかる作業です。不自然な姿勢で作業をすると、腰や肩、腕に無理がかかり、疲れやすくなるだけでなく、ケガのリスクも高まります。
正しい姿勢を意識することで、効率よく草刈りを進めることができます。鎌と草刈り機を使う場合に分けて、楽な姿勢を紹介します。
■鎌の場合
鎌を使う場合は、腰を深く曲げるのではなく、やや膝を曲げた中腰の状態をキープすると、背筋への負担が緩和されます。腰を長時間曲げたままだと、腰痛の原因になります。適度に立ち上がってストレッチをすると良いでしょう。
■草刈り機の場合
草刈り機は、鎌よりも体全体を使う姿勢になります。腰を反らないように背中を真っすぐ保ち、膝を軽く曲げて足を肩幅に開きましょう。
草刈り機の肩掛けストラップを正しく調整し、機械の重心が自分の身体に近くなるようにすると安定感が増します。
草刈り機や鎌を使う際は、刃の角度や当て方によって草刈りの仕上がりが大きく変わります。鎌と草刈り機それぞれの場合のコツを紹介します。
■鎌の場合
鎌を使う際は、草の根元を狙って斜めに刃を入れると、草が刈りやすいです。地面に対してやや傾けながら刃を当てると、草が鎌に絡みつくのを防げます。
力任せに押し切るのではなく、引き切るイメージで切りましょう。鎌の刃を草の茎に対して斜め45度の角度で当てるのが理想です。
■草刈り機の場合
草刈り機の場合は、刃を地面に対して水平気味に当てるのが基本です。刃が地面に対して斜めに当たると、土や小石を巻き上げたり、草がうまく刈れなかったりする原因になります。
一方で、背の高い雑草が多い場所では斜め上から下へ向けて刈り進めると絡まりにくいです。刃に草が絡まないようにするには、一定のリズムで刃を動かし、適切な角度を保つことが大切です。
雑草の種類や状態によって刈り方を工夫することで、作業効率を上げることが可能です。鎌と草刈り機それぞれの場合に分けて刈り方を紹介します。
■鎌の場合
鎌で長い草を刈る場合は、先端から少しずつ刈り取るようにします。一気に根元まで刈ろうとすると、草の重みで刃が絡まりやすくなります。先に上部を刈り、そのあと根元を刈り取るのがおすすめです。
硬い茎の草を刈る場合は、斜めに刃を当てることで切れ味が良くなり、力をあまり入れずに刈ることができます。
■草刈り機の場合
草刈り機で長い草を刈る場合、鎌のときと同様に2段階で刈る方法がおすすめです。最初は刃を少し高めの位置に持っていき、上部を刈り取ります。次に根元を仕上げることで、草が刃に絡まりにくくなります。
草刈り機の刃が金属製の場合は、茎の太い草や硬い雑草にも対応可能です。ただし硬い草を繰り返し刈っていると刃の摩耗が早くなります。
草刈りを効率よく進めるためには、あらかじめスムーズな作業動線を考えて作業をすることが重要です。
無計画で草刈りをはじめると、同じ場所を何度も往復したり、刈り残しが発生したりして時間と体力を無駄にしてしまいます。
基本的には、「手前から奥へ」「右から左へ」といったように一定方向で刈り進めるのが効率的です。草の刈り残しを防げるとともに、刈った草の山が散らばらないため後片付けが楽になります。
草刈り機の場合は、動線を工夫して効率よく草刈りを行うことで、燃料やバッテリーの節約にも繋がりますよ。
一度に広い範囲を草刈りしようとすると、体力的にも精神的にも辛くなります。
そのため、コツ7で紹介した「効率的な導線」をベースに、エリアを小さく区切り、段階的に片付けていくと、モチベーションを保ちながら効率的に進めていけます。
エリアを分割することで一区画が終わるごとに達成感が得られます。小さなゴールを積み重ねることで、初心者でも最後まで集中して取り組めます。
雑草が成長しきる前に草刈りすることで、作業が楽になるだけでなく、草刈りそのものの頻度を減らすことができます。
雑草が伸びきってしまうと茎が硬くなり、刈るのに時間と労力がかかり大変です。
コツ1「草刈りに適した時期と時間帯を選ぶ」で紹介した通り、草が柔らかいうちに刈ることでスムーズに作業できるだけでなく、鎌や草刈り機の刃の摩耗が抑えられ、道具が長持ちします。
さらに雑草の成長初期に刈ることで雑草が種をまき散らすのを防げるため、次のシーズンに発生する雑草の量を抑えることができます。
「草が伸びてから一気に刈ろう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こまめに草刈りをする方がトータルの手間や時間は短く済むのです。定期的に草刈りしている状態のほうが景観もいいですね。
草刈りが終わった後の後片付けは、次の作業をスムーズに進めるためにも欠かせません。刈った草や使った道具を適切に処理することで、次の作業がやりやすくなります。
作業後の刈られた草は、隅にまとめて置いておき、乾燥させます。乾燥させることで、雑草の水分が抜け体積が減るため、廃棄や運搬時の作業負担を減らす効果があります。
最後に、草刈りに使った鎌や草刈り機は、きれいに洗浄しメンテナンスしておきましょう。
葉についた草や土を取り除き、拭いておくだけでも刃が長持ちします。刃を研いでおくとなお良いです。道具の状態を適切に保つことで、次に草刈りをする際にストレスなく作業が始められます。
初心者でも取り組みやすい草刈りのコツを10個に分けて紹介してきました。
草刈りは、道具選びや姿勢、作業時期などのポイントを押さえることで、初心者でも簡単にできるようになります。鎌や草刈り機にはたくさん種類があるので、用途や作業環境に合わせて適切な道具を揃えましょう。
草刈りをしやすい服装や道具選び、姿勢に気をつけるだけでなく、「雑草そのものの発生を抑える」考え方も重要です。
草刈りのテクニック面だけでなく、効率的な動線を意識したり、エリアを小さく区切るなどのモチベーション面のコツも紹介しました。
10つのコツを押さえることで、重労働に感じがちな草刈りも「やってみよう」と思えるはずです。刈ったあとの後片付けや道具のメンテナンスを怠らなければ、次回以降も気持ちよく作業を始められます。
今回の10のコツを活かして、ぜひ楽しく安全に草刈りしてくださいね。
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